KOUBE’s diary

たぶんゲームのことをメインに書く。

Monster Hunter World: Iceborne 総括(PC版)

 自分語りも済ませたので、本題の総括を書いていきます。

まず、MHWは2018年夏の発売から現在まででまるっと2年あります。

アイスボーン登場からほぼ1年。今さらワールドのことを長々と書き連ねてもしようがないですから、アイスボーンのことをメインにMHW時代のことは軽く触れる程度にとどめます。

 

 

 

MHWの良さ

1.シリーズ随一のグラフィック

やはり外せない要素です。

ゲーム性に直接関与しないのは事実ですが、写実的な表現は没入感を高めてくれます。

フィールドに存在する各種環境生物などと相まって、シリーズのみならず他のゲームと比較してもこれほど生命の息吹を感じられる作品はそうはありません。

youtu.be

大蟻塚の荒地で高台に登って、景色を眺めるだけでもワクワクしました。

フレンドと探索で絶景スポットを探して回ったのもいい思い出です。

他にも観察しているとエリア外まで含めたレベルデザインにも物語があるのが分かります。ストーリーやサブコンテンツでそのあたりが掘り下げられるなど、きめ細かな描写が堪らなかったですね。

 

2.素材集めの緩和

素材掘りは全体的に楽になりました。報酬枠のいいクエストを求めると痕跡集めが云々みたいな話になってしまいますが、昔のように紅玉1個に中々な周回数を要求される鬱陶しさはないと思います。マカ錬金があるのも心強いですね。

特殊ブラキの"不滅の炉心殻"だけ妙に排出が渋いですが....許容範囲だと思われます。激運チケットの存在も小さくないですね。

 

・ 不満点

1.クラッチクロー&傷付け要素

アイスボーン発売時から最後まで、コミュニティを騒がせた問題の一つ。

システム/クラッチクロー - モンスターハンター大辞典 Wiki*

概要はリンクの通り。

アイスボーンでモンスターの肉質が硬くなったことと弱点特攻スキルの調整により、傷付けはもはや全武器で必須です。2回組はハンデを負う形となったため、該当武器種のユーザーからは特に不評でした。傷付け攻撃自体に面白みがないのもマイナスポイント。

ただバランス調整の意図があったのもみてとれるので、個人的にはそこまで不満がない部分です。メインで使ってるランスが傷付けに関してかなり優遇されているためでもありますが、傷付けがかなり強く批判されてるのは人気武器種に冷や水ぶっかけたからだと思ってしまいますね。

 

理想としては、すべての2回組に双剣のような素早く傷付けできる連携攻撃を実装すれば良かったのではないかと思います。

最終的には削撃珠の実装が開発からの回答でした。しかし1回組は傷付けが遅く、コストが軽くないスキルとはいえ1回組が不利になる面もままあります。

ならば最初から傷付け要素要らなかったのでは....。

なんだかよくわからない決着となりました。

 

2.武器種間格差とその調整

武器種について、どの武器が強い弱いという話をするつもりはないです。

全武器種をきっちりトレンド追いつつ触ったりしてないですし、PvEですからそこまで重要な点だと思えないのも理由のひとつ。

とはいえ雑な調整が目につきます。

たとえばスラッシュアックス。ワールド時代は評価が低かった一方、アイスボーンではゼロ距離解放突きの強化で注目を集めます。いわゆるパンパンゼミですね。

パンパンゼミはミラボレアスの頭破壊などで大繁殖しましたが、歴戦王イヴェルカーナでは開発の装衣クラッチ対策によって絶滅状態。

武器種間格差をどうにか是正したいのでしょうが、根本的問題を解決せずに小手先の調整でごまかそうとしている印象があります。

追加モンスターで特定武器種の対策を行うなんてユーザーへの嫌がらせじみた行動であり、評価されるはずもありません。

 

3.マスターランクとクエスト受注条件

他のレビューなどで触れられる機会が結構少ない印象はありますが、ライトユーザーにとって結構深刻な問題だと思います。

アイスボーンはMR100まで割と暇です。

装飾品集めやらエンドコンテンツに事欠かないアイスボーンですが、それらに参加できるのは歴戦古龍の受注や導きの地が完全に開放されるMR100以降です。

ワールド時代はHR50がその節目であり、HR16でラスボスを討伐した後はフリークエストなどをこなしていれば楽に到達できるラインでした。分かりやすくやることがあったと言い換えてもいいです。(HR上限解放は15→29→49と進行します。)

一方アイスボーンでは事情が違います。ラスボスの討伐はMR24でありながら、コンテンツが完全に解放されるのはMR100以降。HRに比べてMRが上がりやすいわけでもありません。

MR100に到達するまでが中だるみしやすく、フレンドや野良でギルカ交換をした人でもここでフェードアウトしてしまうプレイヤーが少なくありませんでした。

特殊ベリオロスや臨界ブラキの実装で若干やることが増えましたが、防具の強化レベルなどを考えるとムフェト周回を推奨できるわけでもなく手詰まり感があります。

MR上げの為にだらだら狩りをする状態になりやすく、フレンドと精力的にプレイできる環境がないと結構辛いところです。

 

4.アップデートスケジュールの方針

アイスボーンは最前線でアプデを触り続けるアクティブユーザー達にとって良く分からないコンテンツ実装順が多かったと思います。

 アルバトリオンの後に差し込まれた特殊ベリオロスは武器/防具ともに一線級とは言い難く、アルバがなかったとしても選び辛い性能でした。後発組の救済としては悪くないですが、もっとはやく実装していれば先発組からも多少は評価されたのではないでしょうか。

モンスター自体も原種よりマシにはなりましたが戦っていて楽しいモンスターではありません。

 

他にも防具の重ね着はラインナップ充実が遅く、出そろったのはミラボレアスの実装時です。

歴戦王チケットが必要だったりで製作難易度が低くない分、もっと早くから本格実装されていればモチベーション維持に繋がりそうだっただけに勿体ないです。

なにより着替えて狩りに行くモンスターがもう新規実装されないじゃん....という。

 

5.開発のよくわからない心理

快適要素を追加したら、それに制限を設けないといけないと思っているフシがあります。

ワールド時代は楔虫の位置が奇妙で、3つある段差のうち2つしか楔虫でスキップできない....なんてことはよくありました。

不評だった上位集会所もアイスボーンではかなり改善され、ほとんど不満はなくなりました。しかしオトモダチ探検隊と新規追加の蒸気機関管理所は集会所からアクセスできません。なぜでしょうね。どうでもいい要素ではありますが、他が改善された分なぜそれらを取り残したのか疑問が残ります。

他にもモンスターライドはハンターが走るより速く移動でき、かつ移動しながら砥石を使えるなどかなり便利な要素です。

しかし疲労度という概念が存在し、同じフィールドではモンスターライドを何度も連続使用できない謎の縛りがあります。

モンスターライドのおかげでユーザーがダッシュボタンを入力し続けずに済むのですが、わざわざ連続使用制限を設ける必要はどこに。

 

6.PC/CS間のコンテンツ格差

PC版ユーザーにとってそこそこ深刻な問題はCS版に比べてPC版はコンテンツの実装が少ない、または遅いという点。

権利的な問題かストリートファイターコラボは一年以上開放が遅れ、ホライゾンコラボはついぞ開放されることのないままのようです。

特にホライゾンコラボは武器や防具の追加もあるクエストなので、残念としか言いようがありません。

関連する複数のクエストが配信されないままで、それらには金冠確定クエストも含まれるためPC版は全実績解除が面倒になるおまけつき。

他にも技術的な問題かPC版はCS版に比べてアップデートのスケジュールが数か月遅れていました。

最終的にコンテンツは同時実装されるようになります。

ただスケジュールの遅れを取り戻す為に怒涛の勢いでアステラ祭とイベントが消化される時期があり、流石にキツいと感じました。

 

7.導きの地問題

かの悪名高い導きの地。*1

この件に関してはCS版で起きた惨状よりかなりマシです。

前述のとおりCS版に比べてアップデートの遅いPC版はアイスボーンの発売も2020年でした。不幸中の幸いとでもいうべきか、CS版初期の恐ろしい仕様の数々はPC版では調整の後にリリースされました。

ただそれでも導きの地がヘビーなエンドコンテンツの地であることに変わりはなく、私から共にプレイするフレンドたちを奪っていきました。

 コンテンツの根幹に問題があると思うので、もはや修正案を妄想する気力すら湧きません。せめてゲーム内でそれぞれの地帯で入手できる素材と武器強化に要求される素材が網羅的に確認できればマシだったのかもしれません。

 

8.集会所クエス

上位マムタロト、ムフェトに共通してユーザー確保を意識しすぎているきらいがあります。

歴戦王マムタロトやムフェトがそうですが、明らかに戦力不足のランクでも受注できるHR/MR制限には問題がありました。

他にもユーザーが早々に目標を達成して離脱しないように報酬の排出を渋ってみたり、素材の要求数を増やしてみたり....。

またマルチプレイでないとまともに周回が出来ない調整は効率を求めてギスギスオンライン化する傾向が強く、ユーザーにとって楽しいゲーム体験だったのか甚だ疑問です。

9.エンドコンテンツ過多

導きの地(霊脈石+導き素材)、装飾品集め、マム・タロト、ムフェト....。

お腹いっぱいです。

もちろんマムやムフェトは使用する武器種を絞ってしまえば負荷はだいぶ減ります。

しかし装飾品集めだけでも大変なことは周知のとおりで、導きの地まで考え始めるとユーザーは結構ぐったりしてしまいます。

全体的に水増し感もあり、なんだかなあといったところ。

・総論

まず全体を俯瞰すると、開発が構想を上手く仕様に落とし込めていないことが多くの問題を発生させたと思います。

開発の理想があるばかりでそれぞれのプレイヤーが持つ事情を斟酌しなかったことこそ、”おしつけ”という批判が多くなった原因であるのは明らかです。

 

たとえば開発にはマルチプレイで賑やかに楽しんで欲しい、ユーザー間のコミュニケーションを活発化させたいという目標があったはずです。

傷付けのあれこれに関しても、役割分担して狩猟を楽しんで欲しかったのでしょう。

しかしユーザーによって得意不得意もありますし、愛着ある武器種しか使いたくない人も割といます。武器種による役割分担という構想はよく連携のとれた固定面子ならいざ知らず、野良だと非現実的でしょう。MHF的なMMO色が強く出る作品なら話は変わってくると思いますが。

導きの地の地帯レベル上限も同様に、フレンド同士で育てる地帯を分担して協力という構想があったのでしょう。(そうでないなら正気を疑う調整です。)

ただ誰も彼もが一緒にプレイするフレンドを確保できるわけではなく、また目的ありきのゲームコミュニティは窮屈になりやすいことを果たして開発はどれほど意識できていたのでしょうか。ソロ専でのんびりやりたい人間だっていたはずです。

このあたりが後述のユーザー層が変化した要因の一つかなと考えます。

 

データがあるのかも分かりませんし感覚の話ですが、ワールド時代は粗削りな面もありつつビギナーからベテランまで多くのハンターで賑わっていました。

一方でアイスボーンはMR200前後でフェードアウトしていく層とゴリゴリにやり込む層に二極化した印象が強いです。

ワールドはベヒーモスなどを除けば簡単すぎるという声が確かに多かったですが、アイスボーンの仕様はやはりついていけるユーザーが限られたように思います。

仕事じゃないんですから、もっと手心を加えて欲しかったですね。

 

こうやって書いていくと不満ばかりでコイツ何を楽しんでいたのかと自分でも考えてしまいますが、プレイして楽しかったのは事実です。

ただフレンドが1人去り2人去り、最後まで走っていたのが自分だけになってしまったのは物悲しく、多くのユーザーと和気藹々と楽しんだワールド時代を懐かしく思います。

もうしばらくすればライズが発売されます。今のところ買う予定はありませんが、次回作のさらなる成功を祈るばかりです。

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